第1回大里地区地域事例研究ネットワーク 開催報告
令和8年7月9日(木)、大里生涯学習センターにて「大里地区地域事例研究ネットワーク」が開催されました。当日は31名の多職種が参加し、困難事例に対する支援のあり方や、地域の医療・介護連携システムについて活発な意見交換が行われました。
① 地域事例検討:「8050の世界に生きる家族への支援」
第一部では、複合的な課題を抱える「8050世帯」への支援をテーマに、事例検討を行いました。
対象は、医療・障害福祉サービスの導入期にある介護者と、その介護を担う障害を持つ家族の世帯です。他者が自宅に入ることによる当事者のストレスや苦情への対応、精神的な特性への配慮など、数多くの課題が共有されました。
グループワークでは、以下の4つの視点を中心に、今後の支援の方向性が話し合われました。
長期的な視点とプロセスの受容: 目の前の問題解決を急ぐだけでなく、家族が現状(障害や病期)を受け入れるプロセスであると捉え、5年・10年先を見据えた長期目標を設定すること。
自立支援と介護力の再アセスメント: 「できないこと」に介入しすぎるのではなく、当事者の持つ力や分担できる役割を評価し、認め、適切なサービス量への見直しを検討すること。
関係機関との密な連携: ケアマネジャーが一人で抱え込まず、障害福祉サービスの計画相談員やヘルパー事業所とチームを組み、モニタリングや方針の共有を密に行うこと。
信頼関係の継続: 家族のこれまでの歩みを尊重し、まずは「認め、受け止める」姿勢をベースとした関わりを積み重ねていくこと。
専門職自身の心理的負担にも配慮しつつ、多職種がチームとして伴走していく重要性が改めて確認されました。
② 静岡医師会医療・介護連携推進センターの事業紹介
第二部では、同センターより、専門職向けの相談窓口としての活用方法や事業概要について紹介がなされました。
本センターは、医療・介護・福祉の専門職からの相談に応じ、歯科医師や推進医などの専門的な知見を交えながら、解決策を一緒に考える機関です(※当事者からの直接相談は受け付けていません)。 紹介の主なポイントは以下の通りです。
主な相談内容: 医療機関や訪問看護との連携、障害をお持ちの方の医療書類・手続きに関すること、意思決定支援に関することなど。
相談へのアプローチ: 「相談の準備に身構える必要はなく、日々の業務で生じた『もやもやした疑問』や不安を、電話等で気軽に共有してほしい」との呼びかけ。
事例で行き詰まった際、医療的なバックボーンを持ってケアマネジャーらの活動を後方支援してくれる心強い存在であることが紹介されました。